貸倒れの処理(貸倒損失・償却債権取立益)

売掛金が回収不能になったときの処理。前期以前分と当期発生分の違い、回収時の償却債権取立益まで解説します。

取引先が倒産して売掛金が回収できなくなること、それが貸倒れです。決算で備える引当金とは別に、実際に貸倒れが起きたときの処理を学びましょう。当期発生分と前期以前分で扱いが変わります。

月島 ルナ(普段) 月島 ルナ

先生、売掛金が回収できなくなったら、どうすればいいんですかぁ?

久世 環 先生(笑顔) 久世 環 先生

それが実際に起きた貸倒れね。
処理は、その売掛金が『いつ発生したか』で変わるのよ。
まず前期以前に発生した売掛金が貸し倒れた場合から見ましょう。

御影 凛(普段) 御影 凛

前期以前の売掛金が貸し倒れたときは、決算で積んでおいた貸倒引当金をまず取り崩します。
引当金で足りればそれで完結、足りなければ不足分を貸倒損失で処理しますね。

赤松 まい(普段) 赤松 まい

たとえば前期発生の売掛金5万円が貸倒れて、貸倒引当金が5万円あったら?

久世 環 先生(普段) 久世 環 先生

その場合は借方『貸倒引当金 50,000』、貸方『売掛金 50,000』。
引当金でちょうどまかなえるから、損失は出ないの。
備えておいた効果ね。

久世 環 先生(普段) 久世 環 先生

もし引当金が3万円しかなければ、借方『貸倒引当金 30,000』と『貸倒損失 20,000』、貸方『売掛金 50,000』。
足りない2万円だけが費用になるわ。

月島 ルナ(びっくり) 月島 ルナ

わぁ、引当金で足りない分だけが貸倒損失になるんですねぇ。
じゃあ当期に発生した売掛金だったら?

久世 環 先生(笑顔) 久世 環 先生

当期に発生した売掛金が同じ期のうちに貸し倒れた場合は、引当金は使わず、全額を貸倒損失で処理するの。
引当金は前期末の売掛金に対して積んだものだからよ。

御影 凛(普段) 御影 凛

当期発生分なら、借方『貸倒損失』、貸方『売掛金』ですね。
引当金を取り崩さない点が前期以前分との違いです。

赤松 まい(普段) 赤松 まい

なるほど、当期分は引当金の対象外だから、まるごと損失なんだね。
ところで、あきらめた売掛金が後で回収できたら?

久世 環 先生(笑顔) 久世 環 先生

いい質問!
前期以前に貸倒れとして処理した債権が、あとで回収できたら償却債権取立益という収益で処理するの。
借方『現金』、貸方『償却債権取立益』ね。

月島 ルナ(普段) 月島 ルナ

あきらめたお金が戻ってきたら、収益になるんですねぇ。
ちょっと得した気分ですねぇ。

御影 凛(普段) 御影 凛

整理します。
前期以前分の貸倒れは引当金を取り崩し不足分を貸倒損失、当期発生分は全額貸倒損失、過年度に処理済みの回収は償却債権取立益、の3パターンです。

赤松 まい(笑い) 赤松 まい

3パターン、バッチリ覚えた!
発生時期で処理が変わるのがミソだね!

確認クイズ

前期に発生した売掛金80,000円が貸し倒れた。貸倒引当金の残高が50,000円あるとき、正しい仕訳はどれか。

  1. (借)貸倒損失 80,000 /(貸)売掛金 80,000
  2. (借)貸倒引当金 80,000 /(貸)売掛金 80,000
  3. (借)貸倒引当金 50,000・貸倒損失 30,000 /(貸)売掛金 80,000
  4. (借)貸倒引当金 50,000・償却債権取立益 30,000 /(貸)売掛金 80,000
こたえを見る

正解: 3. (借)貸倒引当金 50,000・貸倒損失 30,000 /(貸)売掛金 80,000

前期発生分は引当金50,000を取り崩し、不足30,000を貸倒損失とする選択肢3が正解。選択肢1は引当金を取り崩していない。選択肢2は引当金残高を超えて取り崩している。選択肢4の償却債権取立益は回収時の勘定であり誤り。

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