仕訳を間違えて記録してしまったとき、消しゴムで消すことはできません。簿記では別の仕訳を追加して直します。この訂正仕訳の作り方を、確実な手順とともに会話で学びましょう。
先生、仕訳を間違えて書いちゃったら、どうやって直すの?
ぐしゃっと消しちゃダメなの?
ダメなのよ、まいちゃん。
帳簿は記録を消さないのがルール。
だから、間違いを直すときは新しく仕訳を追加して調整するの。
これを訂正仕訳というわ。
補足すると、訂正仕訳を作る手順はとても明快です。
まず『誤った仕訳』を書き出し、次にそれを打ち消す『逆仕訳』を作り、最後に『正しい仕訳』を足す。
この3つを合体させたものが訂正仕訳になります。
うぅ〜ん…逆仕訳って、どういうことですかぁ?
誤った仕訳の借方と貸方を、そっくり入れ替えたものよ、ルナちゃん。
入れ替えて足すと、間違えた記録がちょうど打ち消されて、なかったことになるの。
具体例でやってほしい!
消耗品費を現金で1,000円払ったのに、まちがえて通信費で記録しちゃった場合はどうするの?
いい例ね。
まず誤った仕訳は『(借)通信費 1,000/(貸)現金 1,000』。
これを打ち消す逆仕訳は『(借)現金 1,000/(貸)通信費 1,000』。
そして正しい仕訳は『(借)消耗品費 1,000/(貸)現金 1,000』よ。
この3つを合わせると、現金は逆仕訳の借方と正しい仕訳の貸方で相殺されて消えます。
残るのは『(借)消耗品費 1,000/(貸)通信費 1,000』。
これが訂正仕訳ですね。
わぁ、現金が消えて、間違えた通信費を消しつつ、正しい消耗品費が入るんですねぇ!
そのとおりよ、ルナちゃん。
よく見て気づけたわね。
この例では金額が同じだから、結局『勘定科目の付け替え』の形になったの。
要は『間違いを引き算して、正解を足し算する』って考えればいいってことか!
まさにその発想。
金額を間違えた場合も同じ手順でいけるわ。
誤った仕訳の逆と正しい仕訳を足せば、差額だけが訂正仕訳に残るのよ。
つまり手順は常に一定です。
『逆仕訳+正しい仕訳=訂正仕訳』。
慣れないうちは3つを丁寧に書き出し、共通する勘定を相殺するのが確実ですね。
試験では科目の取り違えや金額の誤りを直す問題が出るわ。
あわてず『逆仕訳を作って、正しい仕訳を足す』の手順で一つずつ確認すると、間違いを見つけやすくなるからね。
確認クイズ
備品を現金50,000円で購入した取引を、誤って『(借)消耗品費 50,000/(貸)現金 50,000』と記帳していた。正しくは備品として処理すべきだった。必要な訂正仕訳はどれか。
- (借)消耗品費 50,000 (貸)現金 50,000
- (借)備品 50,000 (貸)消耗品費 50,000
- (借)現金 50,000 (貸)備品 50,000
- (借)備品 50,000 (貸)現金 50,000
こたえを見る
正解: 2. (借)備品 50,000 (貸)消耗品費 50,000
逆仕訳『(借)現金/(貸)消耗品費』と正しい仕訳『(借)備品/(貸)現金』を合体すると、現金が相殺され『(借)備品 50,000/(貸)消耗品費 50,000』が残ります。誤った仕訳の再掲や、備品を正しく計上できていない他の選択肢は訂正になりません。