建物や備品は使ううちに古くなり、価値が下がっていきます。その価値の減少を毎年費用にする手続きが減価償却です。定額法の計算と、代表的な記帳方法を会話で身につけましょう。
先生、備品って買ったらずっと同じ値段のままなんですかぁ?
なんだか古くなる気がして…。
いいところに気づいたわね、ルナちゃん。
使えば古くなって価値は下がるの。
その価値の減少を毎年少しずつ費用にする手続きを減価償却というのよ。
毎年ちょっとずつ費用にするんだ!
でも、いくらずつ減らすかってどう決めるの?
3級で学ぶのは定額法という方法よ。
毎年おなじ金額ずつ減らしていくの。
計算式は『(取得原価−残存価額)÷耐用年数』。
この一年分を減価償却費として費用に計上するわ。
補足すると、残存価額は使い終わったときに残ると見込む価値、耐用年数は使える見込みの年数です。
近年の試験では残存価額をゼロとする問題が主流ですね。
じゃあ具体的にやってみよ!
取得原価100万円、残存価額ゼロ、耐用年数5年ならどうなるの?
計算すると、100万円÷5年=20万円。
だから毎年20万円ずつ、5年かけて費用にしていくのよ。
じゃあ仕訳はどう書くんですかぁ?
ここが大事。
3級では間接法という書き方を使うわ。
備品そのものを直接減らさず、借方に『減価償却費 200,000』、貸方に『減価償却累計額 200,000』と書くの。
つまり、資産の金額はそのままにしておき、これまでの減価償却の合計額を減価償却累計額という別の勘定にためていくということですね。
この累計額は資産のマイナスを表す勘定です。
なるほど、備品はそのまま100万円で残しつつ、横に『もう40万円ぶん減ったよ』ってメモしていく感じか!
うまい例えね。
だから決算書では『備品100万円、累計額40万円』と両方を見せて、差額の60万円が今の価値、とわかる仕組みなの。
この差額を帳簿価額というわ。
月の途中で買ったときはどうするんですかぁ?
丸一年ぶん費用にしちゃっていいんですかぁ?
いい視点ね。
期の途中で取得したら、使った月数だけを月割りで計算するの。
たとえば1年分20万円で、期首から6か月しか使っていなければ、20万円×6か月÷12か月=10万円になるわ。
試験では『定額法の計算』と『間接法の仕訳』、そして『月割り計算』がセットで問われます。
累計額が資産のマイナス勘定である点も押さえておきましょう。
そのとおり。
定額法の式と間接法の相手勘定、この二つを完璧にしておけば大丈夫よ。
確認クイズ
取得原価600,000円、残存価額ゼロ、耐用年数6年の備品を期首に取得した。定額法・間接法による1年分の決算仕訳として正しいものはどれか。
- (借)備品 100,000 (貸)現金 100,000
- (借)減価償却費 100,000 (貸)減価償却累計額 100,000
- (借)減価償却累計額 100,000 (貸)減価償却費 100,000
- (借)減価償却費 600,000 (貸)備品 600,000
こたえを見る
正解: 2. (借)減価償却費 100,000 (貸)減価償却累計額 100,000
600,000÷6年=100,000円が1年分の減価償却費で、間接法では借方に減価償却費、貸方に減価償却累計額を計上します。貸借が逆のもの、備品を直接減らすもの(直接法)、6年分をまとめて計上するものはいずれも誤りです。