使っていた備品や建物を売ることもあります。このとき問題になるのが『帳簿上の価値』と『売った金額』の差。売却損益の求め方を、減価償却累計額の扱いとあわせて学びましょう。
先生、前に買った備品を売ることになったんだけど、これって単純に『売れた金額を現金でもらう』だけじゃダメなの?
そこがポイントなの、まいちゃん。
固定資産を売るときは、まず今の帳簿上の価値、つまり帳簿価額を計算してから、売れた金額と比べて損か得かを出すのよ。
補足すると、帳簿価額は『取得原価−これまでの減価償却累計額』で求めます。
この帳簿価額より高く売れれば固定資産売却益、安く売れれば固定資産売却損になりますね。
うぅ〜ん…仕訳のとき、備品と累計額はどうすればいいんですかぁ?
手放すのだから、どちらも帳簿から消すのよ。
備品は取得原価で貸方に、これまでの累計額は借方に書いて、両方を帳簿から取り除くの。
そのうえで受け取った現金を借方に書くわ。
具体的にやってみたい!
取得原価100万円、累計額60万円の備品を、50万円で売って現金でもらったらどうなるの?
まず帳簿価額は100万円−60万円=40万円ね。
それを50万円で売ったから、40万円のものが50万円になった。
差額の10万円が売却益よ。
仕訳にすると、借方は『減価償却累計額 600,000』と『現金 500,000』、貸方は『備品 1,000,000』と『固定資産売却益 100,000』ですね。
貸借はどちらも110万円で一致します。
おおー!
備品まるごと消して、累計額も消して、もらった現金を足して、差額が売却益ってことか!
そのとおり。
逆に30万円でしか売れなかったら、40万円の帳簿価額を下回るから、差額10万円が固定資産売却損になるわ。
この場合は損だから借方に売却損を書くのよ。
帳簿価額より高いか安いかで、益か損かが決まるんですねぇ。
その理解でばっちりよ。
『帳簿価額と売却額を比べる』これが売却問題の背骨なの。
なお、期の途中で売却した場合は、期首から売却日までの減価償却費を月割りで計上してから帳簿価額を求める、という応用もあります。
まずは基本形を固めましょう。
試験では『累計額を借方で消す』のを忘れる人が多いの。
備品・累計額・現金・売却損益、この4つの登場人物をセットで思い出してね。
確認クイズ
取得原価800,000円、減価償却累計額500,000円の備品を350,000円で売却し、代金は現金で受け取った。生じる損益として正しいものはどれか。
- 固定資産売却損 50,000円
- 固定資産売却益 50,000円
- 固定資産売却益 350,000円
- 固定資産売却損 300,000円
こたえを見る
正解: 2. 固定資産売却益 50,000円
帳簿価額は800,000−500,000=300,000円で、350,000円で売れたため差額50,000円が固定資産売却益です。帳簿価額より高く売れているので損ではありません。売却額そのものや累計額をそのまま損益とするのも誤りです。