決算では、支払った費用や受け取った収益のうち「来期の分」を今期からずらす調整が必要です。
1年分の家賃を先に払っちゃったら、全部今年の費用でいいんですかぁ?
それがダメなのよ。
来期にあたる分は今期の費用にできないの。
だから決算で費用の繰延べをして前払費用に振り替えるわ。
繰延べ? どういうこと?
支払済みでもまだサービスを受けていない期間の分を、費用から差し引いて資産にしておくの。
それが前払費用ね。
補足すると、たとえば支払家賃の前払分なら、(借)前払家賃/(貸)支払家賃、と振り替えます。
前払家賃は資産です。
例を見たいですぅ。
10月1日に1年分120,000円の家賃を払い、決算が12月末なら、使ったのは10〜12月の3か月分だけ。
残り9か月分90,000円が前払費用よ。
じゃあ逆に、お金を先にもらった側は?
そちらは収益の繰延べね。
来期の分を収益から差し引いて前受収益という負債にするのよ。
つまり受取家賃を前受けしていれば、(借)受取家賃/(貸)前受家賃、と振り替えます。
前受家賃は負債です。
前払は資産で、前受は負債なんですねぇ。
そこが大事よ。
前払は『これから受け取る権利=資産』、前受は『これから提供する義務=負債』と考えると迷わないわ。
要は、まだ済んでない分を来期に送るってことだね!
そのとおり。
ちなみに、翌期首にはこの振替を元に戻す再振替仕訳をするのも覚えておいてね。
なお、前払費用・前受収益は当期の金額を来期へ送る「繰延べ」で、逆に未払費用・未収収益のように当期分を計上する「見越し」とは区別します。
確認クイズ
当期10月1日に向こう1年分の保険料120,000円を支払った。決算日が12月31日のとき、前払費用(前払保険料)はいくらか。
- 30,000円
- 90,000円
- 120,000円
- 60,000円
こたえを見る
正解: 2. 90,000円
当期に属するのは10〜12月の3か月分30,000円、来期の9か月分90,000円が前払費用です。120,000円は全額で調整前、30,000円は当期の費用分、60,000円は半年分で月数計算が誤っています。