会社がもうけた利益は、翌期に繰り越されたり株主に配当されたりします。この利益をためておく勘定が繰越利益剰余金です。利益の振替と配当・処分の流れを会話で整理しましょう。
先生、会社がもうけた利益って、そのあとどうなるんですかぁ?
いい疑問ね、ルナちゃん。
決算で計算した1年間の利益は、いったん損益という勘定に集められて、最後に繰越利益剰余金という純資産の勘定へ振り替えられるの。
ここが利益をためておく場所なのよ。
補足すると、当期純利益が出た場合は、借方『損益』、貸方『繰越利益剰余金』として振り替えます。
逆に損失なら、繰越利益剰余金を借方にして減らしますね。
ためた利益は、そのあと株主に配るんだよね?
それが配当ってやつ?
そのとおり、まいちゃん。
ためた利益をどう使うか決めることを利益の処分といって、その代表が株主への配当よ。
株主総会で『いくら配るか』を決めるの。
配当を決めたときの仕訳はどうなるんですかぁ?
配当額が決まっても、その場ですぐ払うとは限らないの。
だから決めた時点では借方『繰越利益剰余金』、貸方『未払配当金』とするわ。
繰越利益剰余金という財産の元手を取り崩して、支払い義務を立てる形ね。
さらに、配当を行うときは会社法の定めで、一定額を利益準備金として積み立てる必要があります。
だから処分の仕訳では、配当額に加えて利益準備金の分も繰越利益剰余金から振り替えます。
具体的にやってみたい!
配当10万円、利益準備金1万円を積み立てるって決めたらどうなるの?
借方は『繰越利益剰余金 110,000』、貸方は『未払配当金 100,000』と『利益準備金 10,000』ね。
繰越利益剰余金を合計11万円取り崩して、配当と準備金に振り分けるのよ。
実際に配当を払ったときは、また別の仕訳になるんですかぁ?
そうよ。
配当金を支払ったら、借方『未払配当金 100,000』、貸方『当座預金 100,000』。
立てておいた支払い義務を消して、お金が出ていくの。
要は『利益をためる→処分を決める→実際に払う』って3段階で動いてるってことか!
そのまとめ方、素晴らしいわ。
試験では『損益から繰越利益剰余金への振替』『配当決定時の未払配当金と利益準備金』の2場面が定番。
順番を意識して覚えてね。
確認クイズ
株主総会で、繰越利益剰余金を財源に配当金500,000円と利益準備金50,000円の積立てを決議した。決議時の仕訳として正しいものはどれか。
- (借)繰越利益剰余金 500,000 (貸)未払配当金 500,000
- (借)繰越利益剰余金 550,000 (貸)未払配当金 500,000/利益準備金 50,000
- (借)未払配当金 550,000 (貸)繰越利益剰余金 550,000
- (借)損益 550,000 (貸)繰越利益剰余金 550,000
こたえを見る
正解: 2. (借)繰越利益剰余金 550,000 (貸)未払配当金 500,000/利益準備金 50,000
配当500,000円と利益準備金50,000円の合計550,000円を繰越利益剰余金から取り崩します。利益準備金の積立てを忘れて500,000円だけにするのは誤り、貸借が逆のもの、損益からの振替とするものも誤りです。