手形の裏書譲渡と割引(手形売却損)

約束手形を満期前に活用する裏書譲渡と割引。割引料を手形売却損で処理する仕訳を丁寧に解説します。

手にした約束手形は、満期まで待たなくても使えます。仕入代金の支払いに回す『裏書譲渡』と、銀行で早めに現金化する『割引』。2つの処理を会話でつかみましょう。

赤松 まい(普段) 赤松 まい

先生、受け取った約束手形って、満期日までじーっと持ってるしかないの?

久世 環 先生(笑顔) 久世 環 先生

それがね、満期を待たずに活用する方法が2つあるのよ。
1つは手形の裏書譲渡、もう1つは手形の割引。
まず裏書から見ていきましょう。

御影 凛(普段) 御影 凛

手形の裏書譲渡とは、持っている受取手形を、自分の仕入代金などの支払いにあてるため、裏面に署名して相手へ譲り渡すことですね。

月島 ルナ(普段) 月島 ルナ

うぅ〜ん…もらった手形を、そのまま次の支払いに使っちゃうんですかぁ?

久世 環 先生(普段) 久世 環 先生

そうなの。
たとえば商品10万円を仕入れて、持っていた受取手形10万円を裏書して渡したとするわ。
仕訳は借方『仕入 100,000』、貸方『受取手形 100,000』。
手形という資産が減るのよ。

赤松 まい(普段) 赤松 まい

なるほど、現金の代わりに手形で払うから、受取手形が減るんだね。
じゃあ割引のほうは?

久世 環 先生(笑顔) 久世 環 先生

手形の割引は、満期前の手形を銀行に買い取ってもらって、早めに現金化することよ。
ただし満期までの利息にあたる分が差し引かれるの。

御影 凛(普段) 御影 凛

その差し引かれる金額を手形売却損という費用で処理します。
たとえば額面10万円の手形を割り引いて、割引料2千円を引かれ98,000円が当座に入ったなら、借方は『当座預金 98,000』と『手形売却損 2,000』、貸方は『受取手形 100,000』ですね。

月島 ルナ(びっくり) 月島 ルナ

わぁ、割引料は手形売却損っていう費用になるんですねぇ。
利息みたいなものなのに費用扱いなんですかぁ?

久世 環 先生(普段) 久世 環 先生

そうなのよ。
支払利息ではなく手形売却損で処理する、と覚えておいてね。
ここは間違えやすいポイントよ。

赤松 まい(笑い) 赤松 まい

整理すると、裏書は手形で支払い、割引は手形を早く現金化、どっちも受取手形が減るってことだね!

御影 凛(普段) 御影 凛

そのとおりです。
共通点は『受取手形が貸方で減る』こと。
相違点は、割引のときだけ手形売却損が出る点ですね。

確認クイズ

額面100,000円の約束手形を銀行で割り引き、割引料3,000円が差し引かれ97,000円が当座預金に入金された。正しい仕訳はどれか。

  1. (借)当座預金 100,000 /(貸)受取手形 100,000
  2. (借)当座預金 97,000・支払利息 3,000 /(貸)受取手形 100,000
  3. (借)当座預金 97,000・手形売却損 3,000 /(貸)受取手形 100,000
  4. (借)受取手形 100,000 /(貸)当座預金 97,000・手形売却損 3,000
こたえを見る

正解: 3. (借)当座預金 97,000・手形売却損 3,000 /(貸)受取手形 100,000

割引料は手形売却損(費用)で処理し、(借)当座預金 97,000・手形売却損 3,000/(貸)受取手形 100,000が正解。選択肢1は割引料を無視している。選択肢2は割引料を支払利息としているため誤り。選択肢4は借方・貸方が逆。

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